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第一回 数理薬理シンポジウム!

こんにちは🌿 今日は、7月4日、5日に北里大学白金キャンパスにて開催された「第一回 数理薬理シンポジウム」についてです!

今回は、アカデミアから96名、企業から135名、合計231名という多くの方々に現地参加いただき、盛況のうちに開催されました。

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

🔹数理薬理シンポジウム

数理薬理1

iBLabからは、博士前期課程2年の山本将太朗さんが発表をしました。

山本さん🎙️「無事に発表を終えることができ、嬉しく思っております。 製薬業界の方々から多くのコメントをいただき、日頃とは異なる視点からの刺激を受ける貴重な機会となりました。 また、シンポジウム全体を通して、数理と薬理という異なる研究分野における考え方や手法の共通点と相違点を実感し、今後の両分野の融合に対して大きな可能性を感じました。 今後は、自身もその架け橋となり、数理と薬理の連携に貢献していきたいと考えております」

「数理薬理」とは?

「薬理学 × 数理科学」という新たな融合領域。 伝統ある薬理学・臨床薬理学と、数理モデリング・シミュレーションのアプローチが出会うことで、創薬・医療の現場にどのような可能性が生まれるのか。

数理薬理シンポジウムでは、そんな問いを軸に、さまざまな立場からの講演が行われました。

数理薬理3

1日目の後半に行われたパネルディスカッションでは、これまでの医療研究をさらに加速させ、迅速かつ効率的な医薬品開発を実現するために、数理の視点がどのように生かされうるかについて、多角的に議論されました。

「企業での課題が、サイエンスに繋がることもある」

「数理は、生物だけでなく社会科学にも応用されるアナロジーがある」

企業側からは、現場でのリアルな課題感と、それを越えていく理論の力について触れられました。

数理薬理4

「数理生物学では“手法”が重要。でも創薬では“それが何に使えるか”が求められる」という指摘や、「理学部では真理を追求する傾向がある」、「企業ではアイデアを“買ってもらう”場面も多い」といった文化の違いにも触れられました。

こうしたギャップに対して、「互いの立場や背景を尊重し合う“リスペクト”こそが、協働の鍵ではないか」という意見が交わされました。

「もっとコミュニケーションできれば、もっといいことが起こるはず」

分野ごとに異なる“言語”や前提を乗り越え、対話を重ねることの大切さが、改めて共有されました。

対話を生む、数理と創薬の交差点

数理薬理5

今回のシンポジウムは、単なる研究発表の場ではなく、異なる視点や文化が出会い、語り合う場として大きな意味を持っていたように思います。

ファーマコメトリクスによる用法・用量と効果・副作用の関係の定量化に加え、疾患の進行メカニズムへの理解や、適切な臨床試験デザインの構築が不可欠であるという指摘もありました。

また、「数理薬理」という学際的な場を今後どのように育てていくか、アカデミアと企業の間での円滑なコミュニケーションの在り方についても、意見が交わされました。

今回は記念すべき第1回目でしたが、今後もこうした場が、分野や立場の垣根を越えて続いていけばと思います。

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