iBLab | Interdisciplinary Biology Laboratory, Nagoya University
      名古屋大学異分野融合生物学研究室

  1. News 岩見真吾氏、山本将太朗氏らの論文が Science Translational Medicine にて掲載されました。T. Nishiyama†, F. Miura†, Y.D. Jeong, N. Nakamura, H. Park, M. Ishikane, S. Yamamoto, N. Iwamoto, M. Suzuki, A. Sakurai, K. Aihara, K. Watashi, W.S. Hart, R.N. Thompson, Y. Yasutomi, N. Ohmagari, P.M. Kingebeni, J.W. Huggins, S. Iwami‡ and P.R. Pittman‡, Modeling lesion transition dynamics to clinically characterize patients with clade I mpox in the Democratic Republic of the Congo, Science Translational Medicine, 17(805): eads4773 (2025). (†, ‡ Equal contribution) ( )
  2. iBlog 細胞に“記憶”を与える!? ( )

CONCEPT

異分野融合研究の歴史をリアルタイムに築いていく

iBLab(異分野融合生物学研究室)は、数理モデル、コンピュータシミュレーション、人工知能技術を駆使し、異分野にまたがる生物学研究を推進する、日本初の異分野融合生物学の研究拠点です。

現在、生命医科学研究は新たな時代を迎えています。これまでのビッグデータ解析を超え、先端的な数理科学技術を活用した革新的なアプローチが注目されています。特に、機械学習を基盤としたデータ駆動型手法と、数理モデルやコンピュータシミュレーション、バイオインフォマティクスとの融合が発展しています。この動きは、データサイエンスが次の新たな段階へと進もうとしいてることを示しています。

臨床医科学研究や薬剤開発の分野では、日常的に取得し、蓄積されうる多種多様なデータの豊富さを背景に、数理科学的アプローチを深化させるための絶好の環境が整っています。たとえば、データサイエンスとの融合により、従来の臓器別での診断を超え、症状や現象を基軸とした疾患の横断的理解による定量的なリスク評価という革新的な視点が生まれる可能性があります。この視点は、現代医療における専門分化の進展に対応しつつ、公平で偏りのない診断と治療への道を切り開く鍵となるでしょう。公衆衛生的な課題を含む疾患としての新たな感染症の出現に対しても、精密なデータ分析と定量的シミュレーション技術を活用することで、感染症拡大への対策や治療の最適化、薬剤開発の加速、臨床試験のデザインの迅速な提案ができます。さらに、網羅的なシミュレーションとデータ解析を合わせることで、病原体の進化動態を明らかにすること、その予測も期待できます。

そして何より、「データを制すること」によって、これまで困難であった研究を爆発的に加速させる道が開かれると考えています。私たちの研究の中核を成す「数理モデルとコンピュータシミュレーション」は、異分野のクロスオーバーを前提とした生物学研究の強力な武器です。この武器や人工知能技術を活用し、モデル駆動型とデータ駆動型のアプローチを巧みに融合させ、臨床や実験研究の現場に深く入り込むことで、データ取得の前段階から研究デザインに至るまで徹底的に関与する姿勢を貫いてきました。このような、人と人、グループとグループの有機的連携を重視するスタイルは、ユニークで汎用性が高く、分野の枠を超えた研究を可能にしています。

共同研究者や研究室のメンバーとの緊密な連携を最大限に活かし、生命医科学の最前線を切り開いていきます。私たちは、新時代の生命医科学研究を現実のものとするため、挑戦を続けます。

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