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JST未来社会創造事業シンポジウム ×「4次元トポロジカルデータ解析」
こんにちは🍁
10月29日に、坂上課題キックオフシンポジウム「未来医療を創出する4 次元トポロジカルデータ解析数理共通基盤の開発」が開催されました。
名古屋大学にある野依記念学術交流館とZoom配信による、ハイブリッド開催でした!
今回のシンポジウムの参加者は、現地参加者が約25名、Zoom参加者が約50名でした。
タイトルになっている、「4 次元トポロジカルデータ解析」って、なんでしょうか?🤔
まず「トポロジー」とは、物体のかたちの特徴を捉える幾何学のこと。
そして「4 次元トポロジカルデータ解析」とは、3次元の複雑なデータから「かたち」の情報を言語化・数学化するということと、それを時間方向(1次元)の変化として追跡するということです。これにより、DX時代の新しい数理手法へつなげることを目的としています。
具体的には、心臓病の治療に役立たせるということと、感染症治療薬をもっと早く効率的に作るという2つの課題に絞り込んでいます。
つまり、「4次元トポロジカルデータ解析数理共通基盤」というのは、「数理」をさまざまな具体的な社会課題に役立てていこうという構想のもと始まったプロジェクトなんですね!
今回はキックオフシンポジウムということで、数理科学の成果を社会実装していく上での課題をテーマにしたパネルディスカッションが行われました。
まずは「異分野のコミュニケーションで困ったこと」をテーマに、パネリストである板谷 慶一先生、渡士 幸一先生、平岡 裕章先生、岩見 真吾先生からコメントがありました。
岩見先生からは、「一番初めは信頼してもらうことが難しかった、一緒に研究し論文を書けるようになった」というお話、渡士先生からは「自分とチーム内メンバーの信頼関係も重要。数学の人と組むと面白いことができるよ、という前例を築くことが大事なので、最初のハードルが一番高い」というコメントがありました。
板谷先生からは「臨床医学と数学は使う言葉が違う」という視点から、チームメイトに伝えるということの難しさも指摘されました。平岡先生からは「問題設定が数学の難しさなので、相手との落とし所を探すということを繰り返してきた」というお話がありました。
こうしたコメントからは、数理の世界にある独自の「言語」の翻訳という課題と、チーム内でのパートナーシップの築き方や、新たな人を巻き込む工夫は、密接に繋がっていることがよくわかります。
特に、長我部先生の「世の中に数学はまだまだ使われていない。横展開、人との出会いの中で翻訳しあって、より数学の隠された部分がプロモートされていく」という言葉が印象的でした。
広く情報発信をする上でも、さまざまな立場・分野の人にとって「イメージできる」発信というのはとても難しいと思います。
合原先生からはカオスの講演から家電製品のリリースにつながったという具体的な体験談をお伺いすることもできました。
今回の続きとなる次回のJST未来社会創造事業シンポジウム「社会課題は数理科学で解決できる!?―企業課題と数理研究をつなぐー」は、2023年1月7日に、Zoom開催されます。
こちらも名古屋大学の野依学術交流館とのハイブリッド開催になります!
次回は数理学者と企業が共同研究する上での課題、今後の展望について意見交換する大きなシンポジウムとなります。
興味のある方はどなたでも、ぜひご視聴・ご参加くださいね🌟
🔻シンポジウムの詳しい情報は以下からチェックできます。
https://iblab.bio.nagoya-u.ac.jp/pdfs/event/JST20230107.pdf
🔻参加申込
https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_AAcgmCpYQWqt5vyhnLKGjw
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