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第3回 JST未来社会創造事業シンポジウム 【社会課題は数理科学で解決できる!? 企業における数理研究
こんにちは🌞
今回は、2月3日に名古屋大学にて開催された第3回 JST未来社会創造事業シンポジウム、 【社会課題は数理科学で解決できる!? 企業における数理研究】についてです!
Zoomの登録者数は60名、現地参加は32名でした。
このJST未来社会創造事業シンポジウムは、数理科学研究による社会課題の解決の可能性を探るという目的があります。
第1回は「数理研究の社会実装―課題と克服」、第2回は「企業課題と数理研究をつなぐ」というテーマでした。
第3回目となる今年は、企業において、実際に数理を用いてどのような活動が行われているのかが紹介されました。
さらに今回は、企業で数理を使った活動をしている研究者や、企業から大学に研究の場を移した研究者、また、現役の大学院生たちと結びつけていくための試みにもフォーカスされていました。
例えば、九州大学 池田先生の講演では、研究コンサルティング付きインターンシップ など、九州大学としてインターンシップを奨励している独自の取り組みが紹介されました。
欠勤する作業員にどの人を当てるべきかの最適化など、数理科学を活かして実際の社会的課題を解決する取り組みが行われてきたそうです。
また、文部科学省研究振興局の坂田先生の講演では、ジョブ型インターンシップについてもご紹介がありました。雇用契約を結び、給料が支給されるこのインターンシップでは、正規の教育課程として実施され、インターンシップでの評価が採用・就職へとつながっていくそうです。
パネルディスカッションでは、企業と大学数理を、研究や人材という側面から結んでいく上でのメリットや課題について、議論がされました。
研究においても、人材的側面においても、メリットは「企業の課題解決につながる」「研究の新しいテーマの芽が見つかる」など、産学双方にとっての利点が確認されました。
数理科学そのものというよりも、時には問題を数学的に定式化するなど、全体方針の策定という部分でも有用であるというコメントもありました。
一方、課題においては、企業と大学における「成果」の扱い方の違いや、参加する人のインセンティブの確保、依然としてマッチングが難しい点などが挙げられていました。
特に、メインが研究である博士課程学生にとって、キャリアパスが不透明な段階でインターンシップに熱量を注ぐことの難しさについては、リアルな問題として想像できます。
インターンシップは、就活においてマストではありません。しかし、日本では早期から候補者を囲い込みにかかる傾向が加速しており、年々インターンシップ制度を採用する企業が増加していることから、実際に企業の人事採用においてはインターンシップが重要視されている現状があります。
『多様性の科学(マシュー・サイド 著)』では、さまざまなバックグラウンドを持つ多様な人々が融合することで組織力が向上し、複雑な問題を解決することができる、というダイバーシティの本質が説明されています。
本シンポジウムでも触れられた「多様なキャリアパス」そのものに大きな意義があり、そこに産学の差はありません。
一方で、就活の前座としてインターンシップへの参加が潜在的に求められる今、それ自体がキャリアパスの一元化につながっているケースもあるのではないでしょうか。
このような中、25年卒の就活からは、インターンシップが大きく変化しています。文部科学省・厚生労働省・経済産業省の合意により、インターンシップは4つに分類・定義されました。オープンカンパニー、キャリア教育、汎用的能力・専門活用型、高度専門型と示される4種の中で、今回の講演でご紹介された「ジョブ型インターンシップ」は、高度専門型に属しています。
概要資料「令和5年度から大学生等のインターンシップの取扱いが変わります」 (PDF:900KB)
インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方 (PDF:608KB)
インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方新旧対照表 (PDF:710KB)
インターンシップ自体を多様化し、特に専門活用型や高度専門型のインターンシップを拡充していくことや、そもそも企業と学生がミートアップするオープンな場が、より当たり前のものとして根付いていくと良いですね。
企業と大学をつなぐシンポジウムは、今回で第3回目!
次回以降も、さまざまな人の参加をお待ちしています✨
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