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国立国際医療研究センター・大曲貴夫先生とPodcast!
こんにちは🌞
今回は、最新のPodcastについて振り返っていきます!
第13回は、国立国際医療研究センター 国際感染症センター長の大曲 貴夫先生にお話をお伺いしました。
新型コロナウイルス第1波、ダイヤモンド・プリンセス号での感染当初から現在に至るまで、現場の第一線でご活躍されている大曲先生。
3年が経つ今、コロナ禍について振り返っていただきました。
その他、先生のバックグラウンドや「医師」という職業についてなど、さまざまなトピックでお伺いできました。
3年前、新型コロナウイルスが大々的に報じられた時のことを、皆さんはどのように記憶しているでしょうか。
唐突にやってきた未知のウイルスに対する恐れや不安がありましたよね。
現在に至るまで、新型コロナウイルスの解明と対処は、社会的に強く要請されてきました。
大曲先生は、特に初期のコロナウイルス感染症対策において、「何よりも大切なのはスピードだった」と、国立国際医療研究センター著・「それでも闘いは続く コロナ医療最前線の700日」の中で振り返られています。
同時に、未知の感染症対策をスピーディーに進めることの難しさを感じられたそうです。大曲先生が執筆されている章では、第一波の頃からの現場対応の様子や、対応の心境をリアルに知ることができます。
中でも特に印象的だったのが、レムデシビルの国際共同治験に対する大曲先生の葛藤が記された部分です。重症患者を「レムデシビルを投与される群」と、「プラセボ(偽薬)を投与される群」に分け、それが主治医や患者自身は知らない状態で、第三者が比較検討を行うというものです。
こうした治験は薬の効果を正しく評価するために必要とされますが、重症患者の生死を左右することもあり得るため、先生の内心で葛藤があったそうです。
今回のPodcastのインタビューでは、今となっては当たり前に受け入れられている「隔離」という概念も、第一波の当初は受け入れてもらえるよう説明をすることに難しさがあったり、コロナ感染に関する風評被害(いわゆるスティグマの問題)があったことなどを伺いました。
このような、現場で対応された医者の目線から振り返る「コロナ禍」は、患者目線のそれと比べると、見聞きする機会が少なかったかもしれません。
私たちの不安を解き明かしてくれるものとしての科学、私たちの病を治してくれるものとしての医者、そういった神話めいたものも存在する中で、コロナ禍における臨床現場と基礎研究の現場では多様な試行錯誤と尽力があったという、当然のことに気付かされます。
🔻「それでも闘いは続く コロナ医療最前線の700日」 (著)国立国際医療研究センター
また、4月末にパシフィコ横浜で開催された「日本感染症学会」では、大曲先生が座長を務められ、「COVID-19から次の新興感染症に備える②:ベッドからベンチへ(臨床研究から基礎へ、臨床検体を基礎研究につなぐためには)」という題で企画シンポジウムがありました。
そこでは、コロナ制圧タスクフォースの取り組みや、医療現場の人たちと研究者のネットワークを構築にするために行ったニュースレター等の取り組みなどの、「情報共有」がテーマに上がっていました。
さらに、公衆衛生、疫学、臨床医学と連携し、感染症対策に直結するエビデンスを創出するという「感染症病理」のお話もありました。
臨床の現場から基礎研究までのスピーディーな対応について、コロナ禍を経た将来の感染症を見据えた、多角的な視点を学ぶことのできるシンポジウムでした。
その他、Podcastでは、大曲先生の目標・「長生きをすること」、「新たな法則を発見すること」などについてもお伺いしています!ぜひ聴いてみてくださいね✨
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