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第3回iSeminar × バクテリオファージ!
こんにちは🌤
今回は、第3回異分野融合セミナー、iSeminarについてのレポです。
講演者は、自治医科大学 感染・免疫学講座 細菌学部門 講師の氣駕恒太朗(きがこうたろう)先生。
テーマは、「バクテリオファージを利用した次世代創薬研究」でした。
バクテリオファージ、人工ロボみたいな見た目をしていますね✨一部の界隈ではかわいいと人気!
語源は「バクテリアを食べるもの」という意味で、その名の通り、細菌を殺菌できるウイルス。
地球上のどこにでもいて、細菌を溶かすタイプの溶菌ファージと、ゲノムに入り込むタイプの溶原ファージの2種類に分けられるそうです。
では、なぜ今ファージが注目されているのでしょうか。
その背景には、治療効果も高く便利な抗生物質を使い続けた結果、現在、抗菌薬が効かない感染症が増えている…という状況があるそうです。
そこで、ファージによる抗菌治療(ファージセラピー)が代替選択肢として注目されているとのこと。
ファージセラピーは、日本ではあまり馴染みがないですが、実は100年近く前から行われていて、海外では既に多くの命を救っているそうです。
さらにファージは治療以外でも、食品添加をしたり農作物への応用をすることで、リステリア、サルモネラへのアプローチになり、腸内環境の正常化に役立てることもできるそうです。
講演では、狙った細菌を特異的に殺菌できるファージ製剤の開発や、創薬としてのファージの能力についても述べられていました。
迅速に大量生産ができ、接種方法は多様で、副作用の報告もなし…。使用者視点でも大変魅力的なファージ製剤。平等なグローバルヘルスにも一役買うのではないでしょうか。
新型コロナウイルスのワクチンも作れてしまうのでは、という可能性も示唆されていました。
そんなに万能なウイルスがあるんだ、と終始驚きの講演でした。
ちなみに、YouTubeのサイエンス系アニメーションチャンネル、Kurzgesagtでも、ファージについての分かりやすい動画がアップされていました。
気軽にチェックしてみたい方にオススメです。
さて、次回の異分野融合セミナー、iSeminarは7月27日14時スタートです。
講師は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公衆衛生大学院疫学科・助教授の西晃弘先生。
テーマは「ネットワーク科学と人間行動」。
参加登録が始まっています。講演詳細・登録は以下をご参照ください。
🔻iSeminar 公式HP
🔻iSeminar 参加登録
https://iseminar.weebly.com/registration-559397.html
https://twitter.com/InterdiscipBiol
https://www.instagram.com/interdiscipbiol/
🔻Podcast
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