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中外製薬コラボセミナー × PNAS Nexus最新研究!

こんにちは✨
今回は、2月12日に開催された中外製薬株式会社とiBLabのコラボセミナーについてです!
中外製薬 トランスレーショナルリサーチ本部 医科学薬理部の寺尾部長と、中村さんをお招きし、名古屋大学での公開セミナーとして実施されました。製薬企業の研究開発の最前線を学ぶ貴重な機会となりました。
医科学薬理部の役割と中外製薬の取り組み
寺尾部長の講演では、医薬品開発における投与量の決定や対象患者の選定プロセスについて、実際の事例を交えて詳しく解説がありました。
特に印象的だったのは、中外製薬が 2~3年に1回のペースで世界的ヒット薬を生み出している秘訣についての紹介です。中外製薬の独自の研究戦略や、成功の裏にある裏話についてもお伺いすることができました。
中村さんの講演では、M&S(モデリング&シミュレーション)が医薬品開発の現場でどのように活用され、進化してきたのかを知ることができました。
2008年以前はデータが少なく、M&Sの活用領域は限定的でしたが、2021年くらいまでの間に適用範囲が急速に拡大し、新しいモダリティ(治療手法)の登場とともにモデリングの重要性が増してきました。
そして現在、企業は生理学的モデルを活用し、より正確な薬剤開発・臨床試験設計を実現しています。
この流れの中で、なぜ企業が生理学的モデルを必要とするのか、どのように活用されているのかについて具体的な事例を交えて学ぶことができました。
iBLabからは、博士後期課程2年の吉村さんが 「移植片喪失を早期に検出する機械学習アプローチの開発」 について発表しました。

PNAS Nexus プレスリリース
さらに、ちょうど今月、吉村さんの最新論文が国際科学誌 PNAS Nexusに掲載されました🎉
🔗 プレスリリース

急性肝障害(ALI)はウイルス感染や薬剤によって引き起こされ、一部の患者は重症化し肝移植が必要になります。
従来、治療効果の予測が困難であり、適切な搬送基準が不明確でした。
今回、iBLabと九州大学の研究グループは、319例の患者データをAIで解析。
患者の進行パターンを6つのグループに分類し、最終的に治療反応性に基づく3つの集団に整理しました。
また、初診時のデータから患者のグループを予測できるAIモデルを開発したことで、適切な医療機関への早期搬送と治療の最適化が可能になり、患者の予後改善が期待されます。
この技術の実用化が進めば、今後の急性肝障害治療のあり方が大きく変わるかもしれません。
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